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形づくり(頭蓋顎顔面形態形成)ユニット

研究内容の概略

 頭蓋顎顔面は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などの感覚器官を収める骨格と筋肉によって構成され、個人のアイデンティティーを決定する。頭蓋顔面疾患は変形をともない、生まれながらに発症していることが多い疾患である。乳幼児期から頭部や顔面に変形が生じ、頭蓋内圧の亢進や脳の発達障害、呼吸、栄養障害、視力障害、聴力障害などの機能障害を起こし、早期の手術が必要になることもある。しかしながら、その原因については未解明な部分が多く残されており、科学的理解の不足とともに疾患原因が不明な状態におかれる患者とその家族の不安も大きい。頭蓋顎顔面の形態形成については、遺伝子クローニングが可能となって以降、モデル動物の遺伝子発現パターンなどから遺伝子改変によって表現型を観察し、ヒトでの疾患との類似性から患者における遺伝子変異を検討して確定するなどの方法で原因遺伝子が報告されてきた。さらに近年では網羅的にゲノムを解析することが可能となった。本ユニットでは、患者ゲノム解析を元に頭蓋顎顔面の形態形成を制御する分子機構を最先端の細胞生物学・遺伝学的なアプローチで明らかにすることを目的とし、大規模なヒト変異遺伝子データベースを構築して疾患クラスタリングを行い、新規原因遺伝子候補を同定する。さらにモデル動物や細胞を用いて原因の確定および形態形成制御のメカニズムを明らかにするとともに、最先端の診断法や治療法の開発に取り組む。

具体的な研究内容(関連分野による分担)

 頭蓋顎顔面の先天異常を持つ患者の表現型データベースを作成して分類し、分類ごとに遺伝子解析用の検体を取得し(顎顔面外科学、顎顔面矯正学、咬合機能矯正学、発生発達病態学、形成再建外科学)、遺伝子を網羅的に解析して病因候補となる遺伝子変異を選出する(分子情報伝達学分野、分子発生学分野)。この遺伝子変異をゼブラフィッシュやマウスなどのモデル動物に導入して解析することで、形態形成、また異常形態を引き起こすメカニズムを、個体・器官・組織レベル(硬組織構造生物学、顎顔面解剖学、口腔保健衛生基礎学、分子情報伝達学分野、分子発生学分野)、細胞レベル(iPS細胞を含む)(分子細胞機能学、結合組織再生学、硬組織薬理学、分子情報伝達学分野)で解き明かし、希少疾患の新規診断・最先端の治療法・予防法へと道をつける。
 胎児期そして生後における環境要因が与える頭蓋顎顔面や歯牙、歯列・咬合の形態形成に与える影響について、放射線治療、外傷、メカニカルストレスなどを中心に検討し(小児歯科学、顎顔面解剖学、咬合機能矯正学、顎顔面矯正学)、そのメカニズムや最先端の治療法および予防法の開発を目指す(小児歯科学、硬組織薬理学、咬合機能矯正学)。
 さらに、上記の原因による頭蓋顎顔面における欠損組織、特に硬組織を中心に、効率良くかつ非侵襲性に補填する最先端の方法の開発を目指す(硬組織薬理学、顎顔面解剖学、小児歯科学、分子発生学分野)。