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全分野紹介

健康推進歯学分野

教授
相田 潤
准教授
松山 祐輔
講師
木野 志保
助教
財津 崇
相田 潤

TEL 03-5803-5476 FAX 03-5803-0194
分野HP http://www.tmd.ac.jp/ohp/index.html

分野概要

健康推進歯学分野では、疫学、公衆衛生学、息さわやか外来の臨床を行っている。主な研究課題は、歯科医院での治療の予後の客観的な測定、口腔と全身の健康の関連の検討、地域や国の政策の評価などで、必ずしも歯科分野にとどまらない幅広い疫学・公衆衛生学研究を行い、海外の第一線の研究者らと共同しながら世界をリードする研究を担っている。この中では、行政との共同研究や事業を通じ、公衆衛生マインドの涵養もはかる。また口臭の予防や治療を専門とした息さわやか外来では、口臭予防や治療に関する基礎的研究や測定機器の開発などの関連する研究を行っている。企業や学校、南極越冬隊など様々なフィールドでのライフコースに応じた口腔健康管理も実施している。これらから「疫学研究者」、「行政の専門職」、「自身の患者さんの状態の把握や最良の治療を、疫学を用いてデータとエビデンスで判断でき、口臭治療も行える臨床医」の育成を目指している。

研究活動

  • 健康の社会的決定要因と健康格差の社会疫学研究
  • NDBデータや臨床データを用いた臨床疫学研究
  • 口腔の健康と全身の健康の疫学研究
  • ヘルスプロモーションと歯科分野の公衆衛生研究
  • 災害と復興に関する疫学研究
  • 口臭症の診断と治療システム構築に関する研究
  • 上記の国際共同研究や国際歯科保健に関する研究

教育方針

歯科医院での治療の予後の客観的な測定、口腔と全身の健康の関連の検討、地域や国の政策の評価、疾病のリスクが高い人や地域の特定、病気や災害の後の回復を促進する要因の特定など、疫学の守備範囲は広いため、本分野では幅広い疫学研究を行っている。そのため、歯学分野だけでなく幅広い分野の疫学研究も行いながら、複数の英文論文が執筆でき、多分野の疫学研究者とコミュニケーションがとれて共同研究ができる研究者を育てることを目標としている。
また「臨床」では患者さんの治療をして疾病を予防するが、「公衆衛生」では地域や国の人々の医療提供体制を構築し、健康増進を行う。臨床では「診断」が必要だが、公衆衛生の実践のために地域や国を診断するのが「疫学」の役割でもある。そのため、公衆衛生学も専門とする講座であるため、疫学を身に着けながら、行政の活動に関わり、将来行政で活躍できる医療人を育てることも本分野の役割である。
さらに、世界的にも数少ない口臭に特化した外来を有しているため、口臭の予防や治療の臨床技術の習得、口臭に関連する様々な研究も行っている。
将来臨床医を志す大学院生に対しては、開業歯科医院でのアルバイトを通して、口臭治療以外の臨床技術の習得に努めることも認めている。本分野を卒業した臨床医は、疫学と公衆衛生マインドを有し、客観的なデータとエビデンスで自身の患者さんたちの状態や最良の治療を判断ができ、また地域の歯科保健活動の一翼を担えるような人材となれるよう指導している。
学部教育では、これらのエッセンスを教育し、疫学・公衆衛生学・予防歯科学を理解し、それらを実践する素養を持った学生の育成を目指している。

臨床活動および学外活動

東京医科歯科大学歯学部付属病院の「息さわやか外来」において、口臭に関する診断、治療、予防を行う専門外来を担当している。当外来では、ガスクロマトグラフィーおよびガスセンサー口臭測定器といった複数の測定機器による揮発性硫化物(VSC)濃度の測定と官能試験などにより、口臭値の測定を行っている。口臭の検査および口腔内診査に基づき診断を行い、一人ひとりの患者に寄り添い、心理面も配慮し、診療を行っている。口臭の治療には継続した歯周疾患の管理や口腔ケアが必要であり、当病院の口腔ケア外来やかかりつけ歯科医との連携を図っている。

また様々な学校や企業における口腔健康教育・健康管理も取り組んでおり、疫学研究をこれらのフィールドと連携して実施している。こうした経験を通じて、ライフコースに応じた口腔健康管理の実践を目指している。