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全分野紹介

医療経済学分野

教授
川渕 孝一
助教
五十嵐 公
川渕 孝一

所在地 M&Dタワー6階
TEL 03-5803-5931 FAX 03-5803-5933
MAIL kawabuchi.hce(ここに@を入れてください)tmd.ac.jp
分野HP http://www.tmd.ac.jp/grad/hce/hce-J.htm
動画 https://www.youtube.com/watch?v=XTrAIrzfKIg

分野概要

医療の役割は苦痛の除去のみならず、豊かな食生活、良好な人間関係といった生活の質に深く及んでいる。文字通り「生活を支える医療」のあり方について改めて考えるとき、これまでの議論があまりにも政治力学や医療関係者の利害といった動機から出たものが多すぎた。その結果として、肝心の国民の実態、医療が社会に還元した医学の成果という最も基本的な視点が確立されていない。特に歯科分野では人間らしい生活を営むうえで、歯科医療が非常に重要な役割を果たしているが、それを裏付ける確かなデータはまだ提示されていない。そこで本分野では、歯学に医学、看護、介護、薬学などを加えて医療経済学の視点から忘れがちだった医療の成果を学際的に再確認しながら、わが国の医療制度のあるべき姿を、国民の視点から探る。

研究活動

医療界で起こっている現象をマクロ· ミクロ経済の視点から分析する。より具体的には、次の3点を研究目標とする。

  • 医学、歯学、看護、介護、薬学などを経済的視点から横断的に研究
  • 効率的な医療· 介護· 福祉のあり方についての政策提言
  • 歯科、医科、経済、経営、会計など各種の専門性の融合と相互発展

教育活動

医療界で起こっている現象を経済学の視点から研究する方法を理解する。特に本分野は社会人大学院生や留学生が多いことから、経済学を中心とする社会科学研究(特に実証研究)の考え方、進め方、論文の書き方を中心に学習する。より具体的には、週に1 回の大学院講義(18 ~ 20 時)および年に1 回の修士課程の講義で医療経済学について概説。新たな取り組みとしては、大学院教育を活性化すべく、一方向の座学的な授業を改め、本分野の非常勤講師の協力を得て、双方向の問題解決型授業を試みている。特に力を入れているのは医療界で起こっている現象や出来事を経済学の視点から、いかに定量分析するか、理論的アプローチと実証的アプローチについて学習することである。他方、学部教育では、歯科分野における医療経済の枠組みを一定の講義を通じて概説する。具体的には、①歯科保健医療の経済分析、②歯科医療費、③診療報酬、④歯科医療の質と評価について学習する。

教育方針

近年、医療· 介護を取り巻く外部環境の変化を受けて、わが国の医療の第一線を担う地域の中核病院や医療· 介護· 福祉施設は、一定の科学的なマネジメントに精通した人材を求めている。一方、医療行政やシンクタンクにおいても、内外問わず、定量的分析に長けた人材の輩出を希求する声が強い。そこで本分野では、即、医療· 介護· 福祉界で役に立つ人材の養成、さらには政策提言能力を有する「アカデミック· ドクター」の輩出を目指す。

臨床活動および学外活動

本分野は基礎系分野に所属しているが、多忙を極める歯科総合診療外来の依頼を受けて、週3日五十嵐助教が診療に従事している。

また、本研究活動で得た知見は一定の学術論文や報告書にまとめる他、医師・歯科医師会等主催の講演やシンポジウム、さらには市民公開講座等で広く紹介している。実際、医療制度改革に関するコメントは、NHK・民放テレビ・ラジオや新聞等の複数のメディアにも放映、掲載されている。