口腔デジタルプロセス学分野
- 教授
- 髙市 敦士
- 准教授
- 岩城 麻衣子
- 助教
- 𡈽田 優美

分野概要
「口腔デジタルプロセス学分野」は、デジタルデンティストリーの研究、臨床、教育を担当する分野である。このデジタルデンティストリーは歯科学と工学からなる学際的なフィールドである。口腔デジタルプロセス学分野では、歯科学分野における歯科臨床と工学分野におけるデジタル機器(ハードウェア・ソフトウェア)との間をシームレスに接続し、研究、臨床、教育を行える人材を育成する。

研究活動
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CAD/CAM技術を用いた補綴装置製作手法と材料開発
CAD/CAM技術を活用し、積層造形法や切削加工を応用した新しい歯科補綴装置の製作プロセスを開発しています。この取り組みにより、高品質な歯科補綴装置の製作方法を標準化し、属人性を排除しながら効率的かつ安定的な製作を実現することを目指しています。 -
深層学習を用いた臨床・教育評価システムの開発(土田)
歯学部学生や臨床研修歯科医師に対して行われる実習や実技試験の評価に関して、評価者によるばらつきが大きいことや、評価者の負担が大きく、フィードバックが十分に行われていないという問題があります。この問題を解決するために、深層学習を用いた画像認識を応用し、客観的かつ自動的な評価を行うプログラムを作成し、その効果を検討しています。 -
医療機器プログラムの開発(土田)
2014年の法改正により、ソフトウェア(アプリケーション)が単体で医療機器として認められるようになりました。当分野では、歯周病治療後のメインテナンスの支援や、小児の歯列不正改善のための口腔筋機能療法を支援するアプリケーションを開発しており、いずれも患者の日常生活に介入し、治療をサポートすることを目的としています。 -
様々な無歯顎補綴に関する臨床研究(岩城)
無歯顎患者に対するデジタルデンチャーやインプラントオーバーデンチャー(2-IOD)などの新しい補綴装置を実際の患者さんに装着し、その臨床効果について臨床研究によりエビデンスの構築を行っている。高齢者歯科学分野やメーカとの共同研究により、部分欠損症例に対するフルデジタル部分床義歯の臨床研究も開始している。 -
3Dデータの活用(岩城)
口腔内スキャナを用いた義歯のスキャン精度に関する研究や,口腔内の3Dデータを用いた診断システムの開発に取り組んでいる。
教育活動
口腔保健学科口腔保健工学専攻について以下の科目を担当している。
1年生 メディア情報学応用
2年生 全部床義歯補綴学、全部床義歯補綴学実習、デジタル全部床義歯実習、部分床義歯補綴学、デジタルデンティストリー基礎
3年生 高齢者歯科学、デジタルデンティストリー応用、デジタル歯冠修復学実習、デジタル金属床義歯実習
4年生 デジタルデンティストリー実習、画像解析学、再建工学包括臨床実習Ⅱ、再建工学包括臨床実習Ⅲ、統合基礎実習、統合応用実習、卒業研究Ⅱ、卒業研究Ⅲ、口腔保健工学企業研修
大学院教育:
大学院修士課程の研究指導および講義「口腔保健工学特論」を担当している。
大学院博士課程の研究指導および講義「先端口腔保健工学特論」を担当している。
教育方針
以下の3点を教育方針としている。
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デジタル技術と卓越した技術の習得
最新のデジタル技術を活用した歯科治療の教育を強化し、学生に最先端のスキルを習得させるとともに、歯科技工士としての専門知識と技術を深めるためのカリキュラムを充実させ、卓越した技術を持つプロフェッショナルを育成する。また、実践的なトレーニングと最新技術の導入により、学生が卓越した技術を習得できる環境を提供する。 -
社会貢献と国際的視野の育成
地域社会やグローバルな視点での社会貢献活動を奨励し、倫理観と責任感を持った歯科技工士を育成するとともに、海外研修や国際交流プログラムを通じて学生に国際的な視野を持たせ、グローバルな歯科医療の現場で活躍できる人材を育成する。 -
リーダーシップとコミュニケーション能力の向上
個々の学生の才能を引き出し、リーダーシップやコミュニケーション能力を高める教育プログラムを実施し、歯科界を牽引するリーダーを育成する。
臨床活動および学外活動
先端歯科診療センター、義歯科において歯科補綴治療に従事している。
臨床上の特色
義歯科、先端歯科診療センターにおける歯科診療においてデジタル技術を駆使し、以下を実現した高水準の治療を提供している。
- 高精度な診断と治療計画
- 効率的な治療プロセス
- 患者の負担軽減