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歯学科研究実習

 歯学科の研究実習は、実習期間が最長で約3ヶ月となります。実習前に配属先を決定しますが、配属先は学内では歯学科の研究室に加え、基礎系研究室を中心に全学的に受け入れをお願いしています。
 学外コースでは、国内他研究機関への配属、および海外の研究機関研究室への配属があります。国内国外にかかわらず、原則は学生自身が配属先を探すことになっていますが、教員による配属先の紹介などの支援もあります。2013年度から2019年度までは毎年海外への派遣がありました。2020、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大のために派遣ができませんでしたが、2022年度は4名の学生が派遣されています。これまでに、英国、カナダ、韓国、ドイツ、米国、タイの大学への配属実績があります。
 研究実習中の実習成果は、授業の一環としての発表会のみならず、国内学会や国際学会での学部生セッション、全国歯学部学生による研究発表大会(SCRP)、タイ国チュラロンコーン大学歯学部および米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のResearch Day、国際歯科研究学会(JADR)日本部会Joseph Lister Award選考会などで発表する機会があります。
 歯学部では、研究実習での成果を日本語のみならず、英語で発表する機会を提供していきます。

森田 泰基(歯学部 歯学科5年)

 私は4年次にKing's College LondonのDr.Ciro Chiappiniの研究室で約3か月間の研究実習 を行いました。同校は14名ものノーベル賞受賞者を輩出しており、世界中から学生や研究者が集 まる大変歴史のある学校です。研究室はテムズ川を一望できる場所に位置しており、そこで多孔質 シリコン製ナノニードルの応用について取り組んでいました。いくつもの実験を行い、得られた結 果を受けて次へのアプローチを考える中で行き詰まることも多々ありましたが、研究室の方々の力 を借りながら前に進むことが出来ました。他の研究室とも交流が盛んで、多様な研究が行われてい ることを知ることができ、大変興味深かったです。
 海外研修プログラムを経験することは、多くの人と出会い、海外から見た日本という視点も得られる貴重な機会です。私は長期の海外渡航を初めて経験しましたが、大学から沢山のサポートを受けられたので安心して臨めました。 今ではこの経験が自分を成長させるための原動力となっています。

出典:2024年 大学案内

杉山 夏希(歯学部 歯学科5年)

 私はKing's College London のCentre for Craniofacial & Regenerative Biology という分野に属するDr. Maisa Seppala の研究室で研究実習をさせていただきました。こちらの研究室で異常なShh シグナルの存在下での遺伝子の相互作用が臼歯における融合歯をもたらす分子・細胞メカニズムの解析に取り組みました。Maisa 教授と研究室の大学院生がディスカッションを通して多くのアドバイスをくださり、真摯に対応してくださったおかげで充実した研究活動を経験することができました。また、ロンドンでの生活は、かつてないほど自身の視野を広げるもので毎日が刺激的でした。世界各国から集まった学生達と公園でピクニックや運動、ロンドン観光を楽しんだり、食事をしながら互いの話をしたり、図書館で議論しながら勉強したりと、現地の人々や友達との交流は一生の宝物です。3 か月間の研究活動とロンドンでの生活は、歯科医師としての視野と自分自身のビジョンが大きく広がったかけがえのない経験であり、このような機会に恵まれたこと、支えて下さった全ての方々に深く感謝しております。

出典:2024年 大学案内

中出 一(歯学部歯学科 2021年度卒業)

 私はトロント大学歯学部のSiew-Ging Gong先生の研究室で約3か月間研究実習をさせていただきました。研究した内容は、う蝕を引き起こすS. mutansに対して、プロバイオティクスとしての働きを持つS. salivariusを探し出し、新たなう蝕制御法を見出す、というものでした。私自身、長期の海外滞在や研究の経験はこの留学まで全くありませんでしたが、Siew-Ging Gong先生や研究室のメンバーの丁寧なサポートにより非常に充実した研究実習生活を送ることができました。また研究のみならず、トロントでの生活や文化、人々に触れることで、人間的にも大きく成長できる貴重な経験だったと感じております。
 このような海外で長期の研究実習を経験できる機会は非常に貴重なものであると思いますし、私自身も受験時にはこのプログラムを魅力的に感じて入学を志望した記憶があります。是非皆さんもこのプログラムを通して自分自身をレベルアップさせ、将来に生かす経験をしてみてください。

出典:2023年 大学案内

廣瀬 美萌(歯学部歯学科 2021年度卒業)

 私は4年次に、イギリスにあるKing’s College LondonのFaculty of Dentistry, Oral & Craniofacial Sciencesという分野に所属するDr.KarenLiuの研究室で3ヶ月間研究実習を行いました。マウスの切片を作って、頭蓋骨の発生のメカニズムについての研究を主に行いました。研究の経験はありませんでしたが、研究室の皆さんが優しくたくさんのアドバイスをくださり、多くの研究手法を学ぶことができました。また、研究室では様々な国の研究者の方とコミュニケーションをとる機会もあり、3ヶ月間滞在することで日本とは違った文化や価値観に触れることができ、視野を広げることができました。
 初めての研究室生活、一人暮らしで不安もありましたが、勇気を出して海外での研究実習を選んで得られることはたくさんありました。このような海外研修プログラムに参加して、積極的に挑戦することで貴重な経験をさせていただけたことに心から感謝しております。

出典:2023年 大学案内

松村 俊佑(歯学部 歯学科)

 私は Centre for Craniofacial & Regenerative Biology, Dental Faculty, King's College London の Dr. Miletich率いるLaboに3ヶ月間派遣していただきました。眼周囲の腺構造の再生におけるWntシグナルの重要性について調べるという内容で、ドライアイの治療に繋がる可能性を秘めた非常に興味深い研究に参加することができました。これまで研究の経験はありませんでしたが、派遣先のDrやPhDの温かい指導のおかげで、順調に研究を進めることができました。海外での長期滞在も初めての経験だったので、研究室内だけでなく、毎日の日常が刺激的で、得るものが沢山ありました。イギリスという異国の地で、多様な考えに日々触れることで、自分自身の視野を広げ、人としても成長できたように感じます。このようなプログラムに参加し、貴重な経験をできたことに心から感謝しています。
 本学は海外への窓口が広いことが大きな特徴の一つです。在学中のこのような機会を活かして、将来の選択肢を増やすのもいいのではないでしょうか。

出典:2022年 大学案内

中山 己緒(歯学部 歯学科)

 私はハーバード大学歯学部のDr.Roland Baronの研究室に3か月間滞在し、骨細胞の骨のリモデリングへの関与といった、骨の分野では世界トップレベルの研究に携わる機会をいただきました。
 研究室では研究の手技や学術的な知識だけでなく、世界中から研究者や学生が集まっていたため、様々な国の文化や価値観、医療システムや医療系大学生のカリキュラムなどについて聞き体感することができました。研究経験の浅さや初の海外長期滞在への不安を感じる間もないような、学びの連続で大変充実した日々でした。このようなハイレベルで多様性に富んだ環境で過ごしたことで視野が広がったとともに、モチベーションも向上し研究への興味も更に深まり、自身の将来の進路や勉学の方向性を考えるきっかけになりました。
 学部生ながら世界最高峰の環境に身を置けるのは、本学の研究実習の強みです。勉学や研究のみならず、海外での自立した生活も含めて、自身の成長を実感できる貴重な経験になると思います。

出典:2022年 大学案内

菊田 美穂(歯学部 歯学科)

 私は、本学・分子発生学分野の井関祥子教授のご紹介で、フィンランドのヘルシンキ大学のInstitute of Biotechnology にあるIrmaThesleff 教授の研究室に3 か月間、お世話になり、軟骨の成長に関する世界トップレベルの研究に携わる機会をいただきました。渡航するまで研究経験がなかったため不安も多かったのですが、派遣先の先生が丁寧に実験の手技について指導くださり、無事に実習を終えることができました。

 初めての1人暮らしに戸惑うこともたくさんありましたが、同じ研究室の学生や先生方に助けていただきながら成果を出すことができました。また研究室には、研究者や学生が世界中から集まっていたので、様々な文化や考え方、ライフスタイルの違いに驚かされました。しかし、異国の地で多様な考え方に触れるという経験は、自身の視野を広げ世界へと目を向けるきっかけになりました。

 このように本学では、将来、国際的に活躍できる歯科医師・研究者を目指すためのプログラムに挑戦することができます。実りある貴重な経験をさせていただけたことに、心より感謝申し上げます。

出典:2021年 大学案内

角南 明歩(歯学部 歯学科)

 私は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校ザッカーバーグ総合病院のOrthopaedic Surgery Trauma CenterのDr.Ralph Marcucio の研究室へ留学させていただきました。研究内容は、マクロファージの分化および機能の主要な調節因子であるCSF1を不活性化するPLX3397という薬が、破骨細胞の活動に与える影響を調べるというものでした。

 私は海外に長期滞在したことがなく、研究に従事したこともなかったので、すべてが目新しく、学術的なことはもちろん、人とのコミュニケーションやアメリカの文化など、日々学びの連続でした。大学関係の人々からは、研究のノウハウをはじめ、研究でどのように社会に貢献できるかなど、勉強することの魅力について学びました。大学から出ると、多様な人種の一人一人がまったく異なる背景を持ってその場にいて、自分と違う人の存在を認め合って共存していて、彼らの姿勢からは多くのことを学びました。このような素晴らしいプログラムに参加できたことを嬉しく思い、本実習で支援いただいた全ての方々に心より感謝しております。また、この経験を後輩に伝えることで、私が得たものを還元できたらと思っております。

出典:2021年 大学案内

長井 貴彦(歯学部 歯学科)

 本学の硬組織薬理学分野に在籍していた青木先生のご紹介のもと、私はアメリカ合衆国ボストンにあるHarvard School of Dental Medicine, Department of Oral Medicine, Infection, and ImmunityのDr. Roland Baronの研究室にて研究実習を行いました。テーマは、骨の形成に関るWnt シグナル経路のRSPO3という遺伝子の働きを調べることでした。

それまで、研究経験が乏しい私は無事に実習を始められるか不安でしたが、派遣前に硬組織学分野の研究室にて実習に必要な実験手技や知識を学び、海外派遣学生向けの英語授業へ参加。派遣中には現地の先生方の丁寧なご指導を受けることで、大変実りある研究実習になりました。

 ボストンは歴史が古く、学術や文化において豊かな発展を遂げていま す。ここで過ごした3 か月間で、アメリカの文化や人々との交流、ボストンの歯科医院の見学、歯科医師や研究者として働く日本人の方々との出会いなど、幅広い経験と視野を得ることができました。この研究実習は、海外で学ぶこと、研究をするとはどういうことなのか、その一端に触れることで、その後の学生生活や卒業後の選択肢に意義深い影響を与えてくれる素晴らしいプログラムだと感じます。

出典:2018年 大学案内

竹内 俊介(歯学部 歯学科)

 5年次の1月、Research day programに参加しタイにあるチュラロンコーン大学に留学させていただきました。英語で発表するのは自分にとって初めての経験であり、準備の段階においても本番においても多々苦労がありましたが、本番ではなんとか基礎部門で2位になることができました。研究発表以外の日はチュラロンコーン大学の歯学部附属病院の病院見学を行いました。他国の歯科事情を実際に目の当たりにすることは新鮮であり、治療方法や設備、服装にいたるまで多くの違いを感じることができました。また現地の学生は親切で、観光地を案内してくれたり現地の食べ物が食べられるお店に連れて行ってくれたりとタイの文化について理解を深めることもできました。現地の学生とはいまでも連絡をとりあっています。他国の学生と英語でコミュニケーショ ンを取った経験はいまも活かされており、臨床実習が始まった今は東京医科歯科大学に訪れる外国人留学生を案内する係を引き受けることにもなりました。

 東京医科歯科大学の本プログラムのおかげで自らの知見を広げることができました。このような素晴らしいプログラムに参加できたことをこころより感謝しています。

出典:2018年 大学案内

松井 友香理(歯学部 歯学科)

 本学では、4年次に自分の興味のある研究室で学べる期間が設けられています。私はこの期間にイギリスにあるKing’s College London のCraniofacial Development & Stem Cell Biology 講座のDr. Karen Liu の研究室で、舌奇形や口蓋裂を引き起こす因子について2ヶ月半学びました。初めての研究ということもあり不安もありましたが、直属の先生をはじめ、研究室全体で実験の仕方や考え方などを丁寧に指導してくださったので、研究の基礎を学ぶことができました。2ヶ月半という期間は研究を行うには短いですが、研究室のメンバーがどのような研究を行っているのか、研究内容に対してどのように方針をたてて進めていくのかといった過程を学ぶこともでき、非常に良い経験となりました。また、研究室にはさまざまな国からの留学生が所属しているので、研究だけにとどまらずさまざまな話題で意見交換をすることができ、将来を考える上でも非常に良い刺激を受けました。

 普段と異なる環境に身を置くことは勇気のいることかもしれませんが、本学ではこのように海外で勉強できる環境が整っているので、ぜひ挑戦してみてください。

出典:2017年 大学案内

見越 葉介(歯学部 歯学科)

 私は4 年次の研究実習においてカナダのトロント大学歯学部矯正科、Dr. Siew-Ging Gong の研究室において、頭蓋骨縫合早期癒合症であるクルーゾン症候群のモデルマウスを用いて組織学的、分子生物学的な研究を行いました。トロントは多くの移民による多くの文化を持つカナダ最大の都市で、大学においてもさまざまな国の人たちと研究生活を共にし、日本とは違う環境で有意義な研究生活を送ることができました。初めての研究生活に不安もありましたが、わからないことは一から教えていただき、自分自身も精いっぱい頑張りました。また、現地でできた友人と情報交換をして、大学外での時間でも学ぶことが多い日々でした。

 私が東京医科歯科大学を選んだ理由の一つに“世界に近いから”という理由があります。本学は、この研究実習を含め、その他多くのプログラムにおいて海外で勉強する機会が多くあり、そのチャンスを誰もが使えることが強みです。国際的に活躍したい人や世界で歯科を学びたい人は、この制度を活用することで“世界に近づける”と思います。

出典:2017年 大学案内

折笠 紫音(歯学部 歯学科)

 歯学科では4年次に一人一人が興味をもった分野の研究室に配属し、研究を行う実習があります。私は硬組織病態生化学分野の先生方のご指導の下、リソソーム膜タンパク質であるLAMP-1とLAMP-2 が、リソソームの細胞内輸送に与える影響について研究を行いました。大学内で研究発表があり、その後、5 年次にはタイ国のChulalongkorn University のResearch Day で研究成果を発表する機会をいただきました。海外で研究発表をするにあたり多くの先生方にサポートをしていただき、出場したOral Biology 部門では1 位となり賞をいただくことができました。

 グローバル化が進む現代において、海外で何かをしたという経験は大きく将来に生きてくると思います。今回タイに行った際も、現地の学生や先生方と歯科についてさまざまなことを話し、日本との相違点や今まで知らなかったタイの歯科医療の現状などを知ることができ、本当に多くの刺激を受けました。

 本学ではこのような海外での研修プログラムが多くあり、国際交流を行う機会が充実しています。そこで得た経験は、将来歯科医師として働く上できっと力になるはずです。

出典:2017年 大学案内