国際交流

国際交流
1年生の講義・実習

歯学科では、「幅広い教養と豊かな感性」「問題提起、解決能力」「国際性」をもった者に学位を授与します。本学は以上の要件を満たした卒業生が、国民の健康の維持・増進のために、使命感を持って歯科医療を実践するとともに、国際的視野に立って歯科医学・歯科医療の進歩・発展に貢献することを強く望んでいます。

グローバル時代においては、柔軟な思考をもって世界を俯瞰し、限りない可能性を求め、夢を見出すことこそが、次世代の歯科医療・歯科医学を切り拓くための原動力となるのです。そのために、本学全体で世界を舞台に医療分野で活躍する人材育成や人的交流にも力を注いでいます。歯学部では、国際的活動への入り口として、学生が研鑽する機会となる様々な海外学生派遣・受け入れプログラムを準備しています。

学生の海外派遣

研究実習モジュールによる国際交流

 歯学科の研究実習は、実習期間が最長で約4ヶ月となります。実習前に配属先を決定しますが、配属先は学内では歯学科の研究室に加え、基礎系研究室を中心に全学的に受け入れをお願いしています。
 学外コースでは、国内他研究機関への配属、および海外の研究機関研究室への配属があります。国内国外にかかわらず、原則は学生自身が配属先を探すことになっていますが、教員による配属先の紹介などの支援もあります。2013年度から2019年度までは毎年海外への派遣がありました。2020、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大のために派遣ができませんでしたが、2022年度は4名の学生が派遣されています。これまでに、英国、カナダ、韓国、ドイツの大学への配属実績があります。
 研究実習中の実習成果は、授業の一環としての発表会のみならず、国内学会や国際学会での学部生セッション、全国歯学部学生による研究発表大会(SCRP)、タイ国チュラロンコーン大学歯学部および米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のResearch Day、国際歯科研究学会(JADR)日本部会Joseph Lister Award選考会などで発表する機会があります。
 2014~2017年度は、アジアの大学の歯学部生を招聘してResearch Dayを開催し、歯学科4年生の選抜学生と海外の歯学部生が英語で研究実習の内容を口頭発表して競いました。海外歯学部の教員を審査員としてお招きし、学生も審査に加わりました。その後参加者全員が食事をしながら交流できる場も設けられました。歯学部では、このような国際交流を計画していきます。

研究実習モジュールによる国際交流
研究実習モジュールによる国際交流

 Londonでの研究活動と交流から得たかけがえのない経験

杉山 夏希

杉山 夏希
歯学部歯学科
5年

 私はKing's College London のCentre for Craniofacial & Regenerative Biology という分野に属するDr. Maisa Seppalaの研究室で研究実習をさせていただきました。こちらの研究室で異常なShhシグナルの存在下での遺伝子の相互作用が臼歯における融合歯をもたらす分子・細胞メカニズムの解析に取り組みました。Maisa教授と研究室の大学院生がディスカッションを通して多くのアドバイスをくださり、真摯に対応してくださったおかげで充実した研究活動を経験することができました。また、ロンドンでの生活は、かつてないほど自身の視野を広げるもので毎日が刺激的でした。世界各国から集まった学生達と公園でピクニックや運動、ロンドン観光を楽しんだり、食事をしながら互いの話をしたり、図書館で議論しながら勉強したりと、現地の人々や友達との交流は一生の宝物です。3か月間の研究活動とロンドンでの生活は、歯科医師としての視野と自分自身のビジョンが大きく広がったかけがえのない経験であり、このような機会に恵まれたこと、支えて下さった全ての方々に深く感謝しております。

 これまでもこれからも続く世界との繋がり

椿 礼子

椿 礼子
歯学部歯学科
4年

 2023年3月、タイのチュラロンコーン大学とシーナカリンウィロート大学にて短期研修を行いました。両校とも本学との交流が長年続いていること、そして対面での交流が再開されたこともあり、先生方や学生の皆さんにとても温かく歓迎していただきました。
 研修では大学での授業に参加させていただいたり、病院での治療を見学させていただきました。タイの大学における歯学部教育や歯科治療が、本学と似ている点や異なる点を知る貴重な機会となりました。
 そして、タイの先生方と昼食にタイ料理を食べたり、放課後や週末にタイの学生の皆さんとバンコクの街を観光したり、タイの文化を実際に身を持って体験することでタイという国をより深く知ることが出来ました。
 日本から遠く離れた国でも、歯科医師になるという同じ夢に向かって頑張っている仲間がいることを強く感じられる、そして一生ものの繋がりが得られる、大学生活に大きな影響を与えた経験の一つとなりました。

 トロント大学歯学部で得た貴重な経験を振り返って

中出 一

中出 一
歯学部歯学科
2021年度卒業

 私はトロント大学歯学部のSiew-Ging Gong先生の研究室で約3か月間研究実習をさせていただきました。研究した内容は、う蝕を引き起こすS. mutansに対して、プロバイオティクスとしての働きを持つS. salivariusを探し出し、新たなう蝕制御法を見出す、というものでした。私自身、長期の海外滞在や研究の経験はこの留学まで全くありませんでしたが、Siew-Ging Gong先生や研究室のメンバーの丁寧なサポートにより非常に充実した研究実習生活を送ることができました。また研究のみならず、トロントでの生活や文化、人々に触れることで、人間的にも大きく成長できる貴重な経験だったと感じております。
 このような海外で長期の研究実習を経験できる機会は非常に貴重なものであると思いますし、私自身も受験時にはこのプログラムを魅力的に感じて入学を志望した記憶があります。是非皆さんもこのプログラムを通して自分自身をレベルアップさせ、将来に生かす経験をしてみてください。

 歯学科4年次のイギリスKing’s College London での研究実習

廣瀬 美萌

廣瀬 美萌
歯学部歯学科
2021年度卒業

 私は4年次に、イギリスにあるKing’s College LondonのFaculty of Dentistry, Oral & Craniofacial Sciencesという分野に所属するDr.KarenLiuの研究室で3ヶ月間研究実習を行いました。マウスの切片を作って、頭蓋骨の発生のメカニズムについての研究を主に行いました。研究の経験はありませんでしたが、研究室の皆さんが優しくたくさんのアドバイスをくださり、多くの研究手法を学ぶことができました。また、研究室では様々な国の研究者の方とコミュニケーションをとる機会もあり、3ヶ月間滞在することで日本とは違った文化や価値観に触れることができ、視野を広げることができました。
 初めての研究室生活、一人暮らしで不安もありましたが、勇気を出して海外での研究実習を選んで得られることはたくさんありました。このような海外研修プログラムに参加して、積極的に挑戦することで貴重な経験をさせていただけたことに心から感謝しております。

 ヘルシンキ大学での研究実習を通して学んだこと

菊田 美穂

菊田 美穂
歯学部 歯学科6年

 私は、本学・分子発生学分野の井関祥子教授のご紹介で、フィンランドのヘルシンキ大学のInstituteof Biotechnology にあるIrma Thesleff 教授の研究室に3 か月間、お世話になり、軟骨の成長に関する世界トップレベルの研究に携わる機会をいただきました。渡航するまで研究経験がなかったため不安も多かったのですが、派遣先の先生が丁寧に実験の手技について指導くださり、無事に実習を終えることができました。
 初めての1人暮らしに戸惑うこともたくさんありましたが、同じ研究室の学生や先生方に助けていただきながら成果を出すことができました。また研究室には、研究者や学生が世界中から集まっていたので、様々な文化や考え方、ライフスタイルの違いに驚かされました。しかし、異国の地で多様な考え方に触れるという経験は、自身の視野を広げ世界へと目を向けるきっかけになりました。
このように本学では、将来、国際的に活躍できる歯科医師・研究者を目指すためのプログラムに挑戦することができます。実りある貴重な経験をさせていただけたことに、心より感謝申し上げます。

 University of California San Francisco での研究実習を終えて

角南 明歩

角南 明歩
歯学部 歯学科6年

私は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校ザッカーバーグ総合病院のOrthopaedic Surgery Trauma Center のDr.Ralph Marcucio の研究室へ留学させていただきました。研究内容は、マクロファージの分化および機能の主要な調節因子であるCSF1を不活性化するPLX3397という薬が、破骨細胞の活動に与える影響を調べるというものでした。
私は海外に長期滞在したことがなく、研究に従事したこともなかったので、すべてが目新しく、学術的なことはもちろん、人とのコミュニケーションやアメリカの文化など、日々学びの連続でした。大学関係の人々からは、研究のノウハウをはじめ、研究でどのように社会に貢献できるかなど、勉強することの魅力について学びました。大学から出ると、多様な人種の一人一人がまったく異なる背景を持ってその場にいて、自分と違う人の存在を認め合って共存していて、彼らの姿勢からは多くのことを学びました。このような素晴らしいプログラムに参加できたことを嬉しく思い、本実習で支援いただいた全ての方々に心より感謝しております。また、この経験を後輩に伝えることで、私が得たものを還元できたらと思っております。

人的交流