カリキュラム

カリキュラム

カリキュラムポリシー

 東京医科歯科大学の教育理念、および歯学部歯学科の教育理念に基づき、豊かな人間性を有し、使命感をもって全人的な歯科医療を実践し、国民の健康の維持・増進に寄与するとともに、国際的視野から歯科医学・歯科医療の向上に貢献できる指導者を育成することを見据えたディプロマ・ポリシーを実現するためのカリキュラムの策定方針を以下の通り定める。

  1. 医療系総合大学としての特色を活かした医歯学融合教育科目を6年一貫教育の中で実施する。
  2. 国際人としての素養を高める科学英語の修得を目指すとともに、1年次から3年次まで教養教育(全学共通科目)を行いながら、モジュールという大きな枠組みの構成単位で6年間専門科目を履修する。
  3. 自主的学習態度および論理的思考能力を養い、科学的な問題解決の方法を修得するために、テュートリアル少人数教育を行う。
  4. 学年を超えて上級生が下級生を直接指導する屋根瓦方式によって指導能力を育成する。
  5. 研究マインドを涵養するために研究室に長期間配属する研究実習を実施する。
  6. 充実した専門教育と臨床患者実習により、良質な歯科医師となるための能力を修得する。

ディプロマポリシー

 歯学部歯学科では、全学共通科目の一部を除き全ての科目が必修であり、学年ごとに設定された進級要件(東京医科歯科大学全学共通科目履修規則及び東京医科歯科大学専門科目履修規則)を満たし、卒業までに、所定の単位を修得し、診療参加型臨床実習の資格条件としての共用試験の合格、臨床実習終了時の臨床能力判定試験の合格とともに、以下の要件を満たしている者に学位を授与する。

1.幅広い教養と豊かな感性

 自然科学、社会科学、人文科学の全学共通科目を履修し、幅広い教養と医療者としての豊かな人間性を涵養している。また、専門科目、医歯学融合教育科目、関連する医学教育科目の履修を通じて、基本的な科学原理と概念を理解し、生命科学知識を修得している。

2.問題提起、解決能力

全教育課程で修得した知識・技能・態度とともに、研究実習を通じて、科学的探求心をもち、自ら問題を発見し、新たな課題を解決する力を涵養している。

3.国際性

 科学英語や学年混合選択セミナー等を通じて、医歯学英語を修得するとともに、世界の歯科事情、国際貢献等の国際性を涵養している。

 本学は、以上の要件を満たした卒業生が、国民の健康の維持・増進のために、使命感を 持って歯科医療を実践するとともに、国際的視野に立って歯科医学・歯科医療の進歩・発展に貢献することを強く望む。

カリキュラム 概要

カリキュラム1

医歯学融合教育

 ますます進む高齢化社会や医療の進歩、複雑化により、これからの医療には医師、歯科医師をはじめとした多職種間での連携・協調のとれた包括的医療の提供が不可欠です。そこで、本学では、医療系総合大学の特性を生かし、他大学に先駆けて、包括的な視野を持つ医療人の育成を目的に、医学科、歯学科の学生が共通して学ぶべき科目を合同で行う医歯学融合教育を2011年度より開始しています。

 本学でしか学べない教育

カリキュラム2

・医歯学基盤教育

2年次から4年次までの週1日に医学、歯学を学ぶ上で基盤となる「グローバルコミュニケーション」「臨床統計」「生命倫理」を学ぶ医歯学基盤教育を行っています。
このカリキュラムでは、医学/医療の分野において、地球規模で問題となっているトピックや倫理的問題に精通し、世界標準言語である英語で論理的に考え議論/協働できることが重要と考え、臨床統計の概念と背景理論を理解し、臨床データ・情報の厳密な吟味のもとに科学的根拠に基づく患者主体の最良の医療・歯科医療を提供できる医師・歯科医師に不可欠な基盤を学ぶことができます。

・頭頸部ブロック

2年次に「頭頸部基礎ブロック」、3年次に「頭頸部臨床ブロック」をそれぞれ3 ~4週間集中して受講します。
この「頭頸部基礎ブロック」では、両学科の学生が脳を除く首から上の部位に関する正常な構造・機能に関して、両学科の解剖学や生理学の教員の講義を受講し、並行して2学科合同の実習を行い、頭頸部への理解を深めています。
 また、「頭頸部臨床ブロック」では、頭頸部領域の疾患を理解する上で必要となる眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、形成外科、口腔外科の講義を主に受講します。講義の形態として、患者参加型講義等も行われます。

・総合診療・地域医療ブロック

こちらは「頭頸部臨床ブロック」と同様に3年次に2週間集中して行うブロックです。
このブロックでは、実際に地域で展開されている医療・歯科医療などを知り、地域住民のニーズに合致した医療や多職種連携を理解し、全人的医療を実現させる総合診療、地域包括ケア、そして地域共生社会の重要性を認識できるようにすることを目的としています。

・包括医療統合教育

包括医療統合教育は、5年次から6年次にいたる臨床実習の途中で行われるコースです。ここでは医療機関のなかで行われる診断治療に限らず、社会と医療の関わりについても学びます。このうち、いくつかの授業は医学科と歯学科合同で行われます。また、臨床実習のなかにも、両学科の学生が共に学ぶ機会があります。
このコースのなかに、本学学士課程全学科(専攻)の最終学年学生が全員参加して行う専門職連携教育ワークショップ「チーム医療入門」があります。こちらは2012年度から患者さんの立場で最良な包括的ケアを提供する人材の育成を目的として導入されており、参加した学生は症例に沿った問題解決のために、自身の職種の専門性を発揮しながら、患者中心の最良な医療のために議論・協働を行います。2日間という短い期間ですが、最初は緊張していた学生も次第に打ち解けて、後半には、白熱した議論を展開し、他職種への理解、チーム医療の構成員として自分が果たすべき役割と連携する必要性を認識しています。

本学全学科・専攻の最終学年学生よりなる混成小グループでの包括医療ケーススタディ(左)と、緩和ケア病棟における医歯合同の臨床実習(右)

・卒業時に習得しておくべき知識・技能・態度

カリキュラム3

充実した臨床実習と卒後臨床研修への連結

 包括臨床実習

 本学歯学部開設以来の伝統として、診療参加型臨床実習を行っています。すなわち第5 学年後期〜第6 学年学生に対して、約1 年間学生用の診療室において患者治療を直接行う経験を積むものです。学生は日本で最大の1 日来院外来患者数を誇る歯学部附属病院の患者で承諾が得られた患者を担当します。原則として患者の医療面接から、診断、処置、予後観察、メインテナンスに至る包括的全人的な治療の実践を経験します。この結果将来のプライマリ・ケアを担える態度・知識・技術の育成が行えます。また、臨床実習に上がる前には、学生が円滑に患者治療を実施できるための予備的な訓練が約3カ月行われます。専門的知識と技術、および学生指導能力に優れた臨床インストラクターの数も豊富です。さらに学生診療室以外の歯学部附属病院専門診療科へのローテーション実習プログラムも数多くあり、基本的な歯科治療技術の修得とともに、専門的歯科領域の理解も深められるカリキュラム構成となっています。

 卒後歯科医師臨床研修

 2006 年4 月から卒後歯科医師臨床研修制度が義務化されました。本学歯学部附属病院は全国の45 の協力型臨床研修施設と提携しており、大学附属病院では経験できない地域密着型の歯科診療についてもあわせて研修できる研修プログラムを含め、本学だけでなく他の大学出身者にも対応した3 つのプログラムを用意しています。

 後期歯科医師臨床研修(レジデント)

 本学歯学部附属病院では1 年間の卒直後歯科医師臨床研修プログラムを修了した歯科医師に対し、後期臨床研修プログラムを提供しています。専門医になるための専門科研修コース、総合診療を習熟するための総合診療研修コース、両者を並行して行える研修コースを設定しています。

充実した臨床実習と卒後臨床研修への連結
充実した臨床実習と卒後臨床研修への連結
充実した臨床実習と卒後臨床研修への連結
充実した臨床実習と卒後臨床研修への連結

 スキルスラボラトリー

本学は医学・歯学教育水準の維持向上のための教育プログラムの開発に取り組んでいます。その一環として、学生臨床実習の充実や研修医の臨床技能向上に必要なクリニカルスキルス・ラボラトリー(スキルスラボ)の実践方法を具体的に検証するためのスキルスラボを開設し、運用を行っています。歯学系のスキルスラボも充実した設備を整えて運用されています。


■歯学系スキルスラボにある主な機器

  • 歯科用臨床シミュレーションシステム「Clinsim」 2台
  • 歯科教育用コンピュータ・シミュレーションシステム 2台
  • KaVoシミュレーションシステム「DSE plus」 2台
  • MOOG シモドントデンタルトレーナー 2台
  • 手術用実体顕微鏡 2台

歯学系スキルスラボでは上記の臨床技能トレーニングに必要なすべての器械・器具・材料などを整えてありますので、利用者に準備してもらうものは 一切なく、自由に使用できる体制をとっています。指導者と一緒にトレーニングするだけではなく、学生や研修医が自主的に予習・復習ができるようになっています。定期的に客員教授による講習会も開催しています。完全なバーチャルリアリティのシステムで歯の切削体験が可能なシモドントデンタルトレーナーを2 台設置してあります。全くタービンなどを使用したことがない低学年の学生でも歯の切削の疑似経験が安全に行えます。

スキルスラボラトリー
スキルスラボラトリー

出典:2020年 東京医科歯科大学 歯学部概要