メニュー

全分野紹介

硬組織薬理学分野

助教
田村 幸彦
no_image

所在地 M&Dタワー7F北側
TEL 03-5803-5461FAX 03-5803-0190
分野HP http://www.tmd.ac.jp/hpha/index.html

分野概要

岡田正弘先生(第二代学長)が主宰された医学部薬理学教室をルーツとして1950年に三村二(たすく)先生が歯学部歯科薬物学講座を開設し、1963年に歯科薬理学講座として名称変更された。その後、1969年に小椋秀亮先生に引き継がれ、2000年の大学院重点化により現在の分野名になった。講座発足当初より「硬組織の生理・薬理」を主体とする研究テーマに取り組んでおり、1959年にその業績は高く評価され岡田先生は学士院賞を受賞した。その後も本テーマをさらに発展・深化すべく研究を進めている。

研究の特色は鉛線による硬組織内時刻描記法を代表とする形態学的解析手法を基盤としており、それをさらに発展させ分子生物学的手法や細胞生物学的解析を加えることにより、硬組織形態計測のみならず細胞機能解析を加味した研究方法の開発に取り組んでいる。特に、近年発展した硬組織蛍光色素ラベリングによる細胞動態の機能解析、X線による非破壊的硬組織形態計測法は本分野の欠かせない研究手段となっている。

古くは様々な薬物を用いた硬組織形成障害現象を実験薬理学的に解析することに始まり、今日では炎症性骨吸収阻害薬開発あるいは骨形成促進薬開発の薬理学的基盤を構築することを目標として研究を進めている。特にTNFを中心とした炎症・免疫系機能の異常と骨疾患病態に注目し、薬物治療に結び付く創薬標的の同定を課題としている。

骨形成因子BMP-2と
骨形成促進ペプチドOP3-4による骨造成法

研究活動

主要な研究テーマ 本教室では硬組織の生理および薬理を主テーマとして研究を行っているが、特に下記に記す項目について重点的に検索を進めている。

  • 歯、骨の形成・吸収機構の薬理学的解析
  • 硬組織疾患治療薬の新規創薬標的の同定
  • 硬組織再生療法のトランスレーショナルリサーチ
  • ペプチド薬の臨床応用に向けた担体研究
  • 口腔組織に発現する薬物副作用の解析

教育活動

薬理学は、基礎と臨床をつなぐ学問であり、学部学生は臨床で使用される薬物を体系的に学ぶ。薬理実習を通じて動物を用いた生物学的検定法の実際を学び、実験科学としての薬理学を理解する。また、病態科学演習においては、体系的に学んできた基礎医学の知識が、臨床においてどのように生かされる知識なのかを学びとることを目標とする。

歯学科
6年次モジュール:包括臨床実習 フェイズⅡ(薬理総合講義)
4年次モジュール:研究実習
ユニット:研究実習
3年次モジュール:生体と薬物
ユニット:薬理概説(薬理Ⅰ), 神経系と薬物/麻酔薬/組織の損傷・炎症・治癒過程と薬物(薬理Ⅱ), 感染の予防および治療薬/内科的疾患とその治療薬(薬理Ⅲ), 薬物と生体反応の実際(薬理Ⅳ)
3年次モジュール:病態科学演習
ユニット:病態科学演習
1年次モジュール:歯学入門
ユニット:基礎情報医歯学
口腔保健学科
3年次 歯科薬理・薬剤学
2年次 薬理学(薬理学実習も含む)

教育方針

教育方針または主要な教育テーマ

薬理学は薬と病気のかかわりに科学的な方法で接近し、薬物の作用の内面を知ろうとする学問である。薬理学は基礎学科目であるが、薬物療法の基盤となる知識を得るという観点から、臨床科目とも密接な関連を有している。

薬理学の教育目標は、基本的、代表的な薬物の薬理作用、作用機序、代謝、副作用、臨床応用などについて系統的な知識を修得させることにある。その結果、臨床の現場において多数の薬物に遭遇しても薬理学知識を応用できるような基盤を習得することになる。また歯科臨床において専用的に使用される薬物についてその特殊性を勘案して解説し理解させることも目的である。さらに薬理実習を通じて薬物作用の解析と生物学的検定法の実際を経験させ、実験科学としての薬理学の研究手法に関して学ぶことも重要である。